ありがとう ~ずっと。ずっと。いつまでも。~
教室に帰ると、英語の教師が私たちのいる方に歩いてきた。






怒られる!と思ったが、先生は私の手を取り、泣きながら、




「ありがとう」







と言った。










私言葉の意味が理解できなかった。






















少しして、泣き止んだ先生が口を開いた。







「加賀美さん。ありがとう。堀江君を連れてきてくれて。


堀江君、私以外の先生が授業を受けるようにといっても、絶対に教室に来なかったの」












あぁ。だから、先生は泣いてたんだ。







やっと分かったよ。











「幼なじみですから。結斗にはちゃんと勉強してもらわないと困りますしね。

今まで出なかった授業の分、今日たっぷりと勉強していただきますから、安心してください、先生」





と、言い、私は微笑んだ。






「まぁ!加賀美さん、本当にあありがとうね」






「いえ。当然のことをしたまでですから」







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