エゴイストよ、赦せ
ローサを抱かない理由――それはさ、僕が彼女を汚してしまうような、そんな気がしていたからだよ。


僕はローサの鏡。

それでいい。

彼女が笑うなら、僕も笑っていよう。

彼女がやさしく投げかけてくる、その微笑みを、映し返そう。


何も受け取らず、


何も付け加えず、


そのすべてを、


彼女の元へと帰すんだ。


最初から、何もなかったかのように。







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