エゴイストよ、赦せ
買い物と料理の下ごしらえで、二時間弱の時間つぶしができた。

ローサが帰ってくるまで、あと二時間くらい。

友人を連れて来る、と言っていた。

要らない服をあげるのだという。


本でも読もうかと思って、色々と手に取って中を見る。

そういえば、初めてこの部屋に来たときも、こうやって本やCDを見てたっけ。


あの日、僕は彼女が料理を作っている間、少しだけ不安になっていた。


男が現れて「俺の女に何してんだ!」とか……そんなことがあるかも、なんて思ったんだ。

何て言うんだっけ? そういうの。

僕はその言葉を思い出せない。

浮かんだのは『大奥』だった。

これは、文字だけで記憶したためだろう。

長く記憶に留めるには、音と映像、その両方が必要なんだ。
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