お嬢様と執事。~桜の奇跡~









「ご親切にどうも、とでも
言うべきなのかしら

でも、おあいにく様
私は迷子ではないから結構よ」

『……そ、そうかい?

すまんことをしたのう』






――し、しまったー!!


また悪態をついてしまった



何で思ってない言葉がでてくるの!?





「あの、違っ……」



慌てて違うと言おうと思ったのに


その老人は既に歩いて行って
しまっていた




どうして親切にしてくれる
人に感謝の気持ちひとつ
伝えられないんだろう……



私は老人が歩いて行った方と
逆の道を歩き始めた











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