F組探究部
続いて二歩目

新学期が始まって一週間が過ぎた。まだ肌寒い春の風を吸い込み登校する。駐輪場に自転車を置き、昇降口に向かう途中人だかりを発見した。様子を見ると集団の中心に見知った顔が。


「ふざけんなっ!!」
「ふざけてなんかないさ」
(鈴神君!?)


中心には同じクラスの鈴神が不良らしき人と話(?)をしていた。周りからはあの鈴神と、ヤバイ組合せ、とかぼそぼそと聞こえてくるから間違いない。

(てか何でそんなに恐がられてるの!?)

人ごみをかきわけて中心に行く。


「鈴神君!?」
「菰!何で…」
「何でって今登校中だから」

驚いている鈴神を見て何か悪い事したかと考えた浅井だったが急に鈴神に手を取られた。鈴神は早足で教室に向かった。



教室はいつもと変わらず賑やかだった。しかし鈴神1人だけが浮かない顔をしていた。

ふとドアの方に目を向けると2つの影が見えた。そして浅井の名前を連呼している。その2つの影は泉とはるだった。


「菰ぉ〜はいっ集合ぉ〜」
「泉、はる!!」


駆け足で教室を出る。浅井が完全に教室に出たことを確認した鈴神が男子陣を集めた。


「実はな…」



廊下に出ると泉達に手を捕まれ強制連行された。情報通の泉の事だなにか教えに来たのだろう。



「大丈夫!?何もされてない?」
「えっあ、うん…?」


なぜ自分の身を心配されているのか分からないので首を傾げる。それを見て泉は盛大にため息をついた。はるはいつも通りニコニコしていた。


「あんたのクラスすごい人の集まりだからさ。」
「ん?皆いい人だよ。」
「そうですねぇ、菰の安全を最優先にして乱闘起こさなかったですしね〜、」
「えっ!乱闘!?」
「確かにね…でも言っとくよ菰分からなそうだからさ」

それから浅井はF組の皆の事を泉達に教えてもらった。鈴神は喧嘩が強いだの、杉崎は怒らせたら自分が死ぬだの折原は校内の女子にモテモテだの色々だった。F組の事以外にも関わっちゃいけない人とかたらしな人となにやら不良グループが人探しをしているらしい事など。



「風吹っていう人は…「泉話長いよ…」シャラップ!!」
「あい…」
「それで3年の…「もうこれで十分だと思いますけど…」シャラップ!!」
「あい…」


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