Loveぱんちっ!

猛ダッシュしていた。


そして、

ードンッ


どこぞの少女マンガでも
最近はベタ過ぎて出て来なかったような出来事。


「いってぇ」
「痛っ」


ぶつかりざまの出会い。



でも、遅刻しそうだったあたしは
そんなの関係ない。

「ごめんねっじゃ!!!」


ケータイという
女子高生にはなくてはならないものを
落としたことに気づかなかった。





ーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーー


「セーフっ」

そうあたしは言いながら、
ガラッと教室の扉を開けた。


「8時3分。危なかったな!」

「本当セーフだよ」

口々に言うクラスメート。

あたしの学校は8時5分が登校時間。
進学校であるため、
朝学習という授業があるためだ。


「あのね、葵。
 今日は転校生が来るらしいよ!」

「へー(興味なし)」


そんなあたしにクラスメートたちは
溜め息を漏らす。


「いくら陸上馬鹿でもさ、
 転校生だよ!?テンション上がんない!?」

「上がんない」


そんな会話をしながらリュックから道具を出して気付く。


ケータイが……ない。




あの時か!?
あの少女マンガちっくにぶつかった時か!?




絶望的な気分になった時、
担任の先生(ひかちゃん)←葵命名が教室に入ってきた。



周りが急いで席につくなか1人机に突っ伏す。




「えー。今日は転校生を紹介する」


ザワッとクラスメートたちは騒ぎ出した。




   


   

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