蜜色トライアングル(番外)~Dignified flower
由弦が前髪をガシガシッと掻き、叫ぶように言う。
隣で圭斗と冬青が顔を見合わせた。
「しかしそれだと、冬青が圧倒的に有利にならないか?」
「薬物に詳しいお前も有利だとは思うが?」
「……」
「……」
「頼むから真面目に考えないでくれ……」
脱力した由弦に、凛花はあははと笑った。
「まーとにかく。もう本編は終わってるから勝手にしたらいいわ」
「……」
「でも少なくとも、木葉を泣かせることだけはしないで頂戴。今後は泣かせた奴があたしに蕎麦を三人前奢ること。いいわね?」
「……」
凛花は三人の顔を眺めまわし、言う。
――――無制限一本勝負。
木葉が永遠に手に入るならやってもいいかもしれない。
3人ともそう考えていることを、凛花は知る由もなかった。
[dignified flower(完)]