Anathema Reaper-呪いの収穫者-

束の間の暇


それから数日後。
悪魔の魂は全く出なかった。

リュカが気配を感じることもなく、ただただ時間だけが過ぎていく。

「つまんねーの……」

刺激が少ない。
刺激が足りない。

朝早く学校へ行き、意味もなくノートを開いて、シャーペンを弄った。

ノートの片隅には『10』の数字。
結構前に書いたものだが、まだ消すことができない。

目を閉じて、意識を奥に集中させる。

『……』

すぐそこまでレンが迫っている感じがする。
眠っている間に、身体を乗っ取られそうで怖い。

そのせいか、最近寝不足気味だった。

「あのさ、この間の事なんだけど……」

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