素直じゃないあたしを温めて
*
「っていう、俺のどうでも良い馬鹿な過去話っ」
拓未くんはそう言うと、「ほんと馬鹿だよなぁ、俺」
と小さい声で呟いた。
「って……何泣いてんの!?ちょ、えっ!?」
「だってっ……だってっ……!」
そんな悲しい過去。
きっと、あたしなんかより、もっともっと傷付いてるはずなのに……
「ありがと」
「へ……?」
拓未くんは優しくあたしに微笑んだ。
「誰かが、俺のために……“俺自身”のために泣いてくれたのなんて初めてだったから……」
そう言ってあたしの頭を優しく撫でた。それから、
あっ、母親のあの涙は、別って考えてね
と付け足した。
「拓未くん、間違ってる」
「ん?」
「間違ってるよ、拓未くん……」