素直じゃないあたしを温めて
「あたしも反対の立場になりたいなぁって」
「茂里……」
「あたしも、頼られてみたいなぁって、助けたいなぁって……」
あたしはもう、皆に十分助けられてきた。
でも、あたしは皆に何にも出来ないまま時間が過ぎて行く。
そんなのは嫌だ。
これからは、あたしも誰かの役に立ちたい。
それは、あたしのエゴなのかもしれない。
けど、少しでも誰かの心の支えになれたら、
笑顔の理由になれたら、
あたしは幸せだと思う。
今度は……あたしの番。
「無理に言って欲しいとか言わない。だけど……もうちょっとあたしを頼っても良いんだよ?」
あたしはベンチの上に置かれた柳瀬の手をギュッと握り締めた。
その手から、柳瀬の温もりが伝わって来た。
「あたし……待つね」
「茂里……」
周りが暗くて、柳瀬の顔が良く見えなかったけど……
泣きそうになっているのはあたしにも分かった。
あたしはそんな柳瀬にニコッと微笑むと、柳瀬も握っていた手に力を入れてくれた。
「ありがとう……」
柳瀬はそう呟くと、あたしを優しく抱きしめた。