素直じゃないあたしを温めて

「お前は間違ってないから、大丈夫。今まで良く頑張ったな。それと……お前がした事は“捨てた”んじゃない。あの子達を“見送った”んだ。だから、お前は……間違ってねえよ」


「……うんっ……」



あたしも柳瀬の背中に手を回し、強く抱擁した。




ありがとう、あたしはもう柳瀬が居なければどうして良いか分からなくなってたよ。




まだ、不安やわだかまりは自分の中に残っているけど、
それでも、少しは自分のしたことは間違ってないって

そう思える。






少し休めと言われたけど、
眠れそうにないあたしは首を振り、ベッドから降りて落としたコップを拾ってキッチンに持っていこうとすると、



「俺がするから大丈夫」


そう言ってあたしの手からコップを取り、ソファーを指さして座ってろと言った。





「なあ、茂里」


「ん?何?」


「お前、今住んでる所から引っ越すんだろ?違うアパートに」


「……うん」



そうだ、その事もあったんだ。

早く探さなくちゃ。


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