幼なじみじゃイヤなんだ。 Before
「おばさん、桜は?」

「こら!流瑠!まず新年の挨拶をしなさい!」




母さんに怒られながらも、リビングをぐるりと見渡しながら桜を探す。

やっぱりいない。




「あら。明けましておめでとう。桜なら部屋よ。朝、おせち食べた後すぐに『勉強してくる』って言って2階に上がっていったから。」





桜が正月1日から勉強!?

大雪が降る!いや。槍が降る!!





「よっぽど流瑠くんと同じ高校に行きたいのね。」

「えっ?俺と同じ高校?」

「うん。進路変更したって聞いてない?……あっお鍋が!?流瑠くん、悪いんだけれど、桜を呼んで来てくれない?新年会するからって。」






進路を変更?


同じ高校?


本当に?




桜は“南高”俺は“北高”を担任に勧められて、受ける予定にしていた。



北高は南高より1ランク上。











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