Mail
 メールを打つあたしの手が止まった。
 見ると震えてた。
『ごめんなさい……。これ以上は無理っぽい……』
『謝ることないよ。櫻にとってはこれだけ話すのでも凄いことなんじゃないのかな。
 ゆっくりでいいよ。ちゃんと聞いてるから。
 迫ってくる時間もないし』
 物凄く嬉しかった。
 イジメられていた時のことを思い出している時より、その後でこうやって、優しくしてくれた時の方が泣けてくるのは何でだろう……。
 あたしは今まで、イジメのことを話しても、誰も聞いてはくれなかった。両親でさえも、真剣に聞こうとしなかった。
 あたしはなんて返したら良いのかわからず、画面とにらめっこをしていた。
 ♪〜
『なんて返したら良いのかわかんないんでしょ。櫻って、照れ屋なんだね』
 詩季が面白そうに書いているのが安易に想像できた。
『どうしていつもいつも一言多いんですか。
 すっごくいいこと書いてあったから、見直したのに』
『だって返事がこなかったから……』
「反省してるんだかしてないんだか……」
 ホントによくわかんない人だ。
『いいですけど、別に。
 ありがとうございました』

 詩季に話す度に重荷が少しずつおりていくような気がした。
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