意地悪な彼氏
「これが、部屋のカードキーだ。」
え、まさかのカードキー?一般寮はふつうの鍵だったよーな…。
「特別寮はカードキーになってるからなくさないように。最初の自動ドアから入って次の自動ドアの前に、かざすところとボタンがあるから。そこで自分の部屋番号を押してこれをかざす。部屋に入るときもな。オートロックになってるから。いいか?」
TOKUBETSURYO、502と書かれたカードキーを渡された。たかが生徒が使う寮がオートロック?つくづく、お金持ちが考えることはよくわかんない。
「エレベーターもついてる。二階には大浴場。ま、部屋にもトイレと風呂はついてるけどな。あ、一回にはコンビニもあるぞ。で、5階が一年の部屋だ。1LDKのそれぞれの部屋にベッドが一つずつついてる。テレビとかタンスとか必要最低限のものはついてるから。しばらくは二人部屋で代表が決まり次第一人部屋になるから。組み合わせは蓮光寺と柳。櫻木と友枝。相崎は隣のクラスの山本とだ。荷物はすでに運び込まれている。」
よかった、結衣と同じ部屋で…。別の人とだったらどうなることかと。さっきから相崎さんはこっち睨んでるし…。
「ま、話すのはこれくらいかな。なんか聞きたいことあったら柳に聞け!こいつはこの学校のことなら俺より知ってるだろ。じゃ、解散。」
相崎さんはそそくさと山本さんを探しに教室を出て行った。
「なぁ、寮まで一緒に行かねー?」
柳君がそう言った。
「もちろんです!」
結衣は、目をハートにして即答した。