泡沫眼角-ウタカタメカド-
――まぁ、遺体からわかるのはそんなもんよねぇ…

メモを取りつつ、朋恵は肘をたて手のひらに顔を乗せる。


「なるほどな。メッセージの内容から、この事件は明らかに先の金子殺害事件に関係していると思われる。

金子の事件も捜査しつつ、新たに地取り捜査を組み直す! 心して取り組んで欲しい!」

「「はっ!!」」


連絡を終えて続々と刑事たちが部屋に出ていく波に乗り、朋恵は首をかしげる。


「で、結局あの子たちは何処に行ったのかしら?」

後でもう一度、電話してみよう。
決めたその時、高橋は心配そうに呟いた。


「日奈山くんは大丈夫ですかね?」

「何で今あいつの心配なのよ?」

「いや、屋代さんたちに何かあったら凄く…なんと言いますか、騒ぎそうじゃありません?」


その何かは実際に、比津次会で起きているのだが……。
“何か”を知った時に炯斗がどんな態度をとるか、なぜか容易に想像が出来た。


「変わらず行方もわからないみたいだしね…」

「そっちも調べて見ますか?」

「…そうね」


今夜は徹夜になりそう。
ストレス以外にも肌荒れの原因が増えたことにがっくりする朋恵だった。


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