泡沫眼角-ウタカタメカド-
街の外れにやってくると、突然視界が開けた。
「はぁ〜……」
ループしない代わりにずっとこのままかと思っていたところ。
景色が変わって一安心。
「こりゃ…ちょっとどころの疲れじゃねーな…」
こんなんで精神保つかなぁ
あくまで気楽に考えて、炯斗は進む。
視界が開けた先は、山に面して建てられた、他の家とは比べ物にならないほど大きな家。
「パッと見た感じ…別荘みたいな?」
他の家も人がいないのだが、ここは更に生活感がない。
多くは使われていない感じだ。
光はその輝きを強めて、別荘の庭へと続いている。
炯斗はじわりじわりと滲んできた汗を拭い、炯斗は不敵に笑った。
「鬼が出るか蛇が出るか……覚悟だな」
光を追いかけて、意図せずも他人の過去を覗いてしまったことがある。
何が見えても、おかしくない。
炯斗は思いきって軽く柵を飛び越え、光の出所に立った。
光は地面から伸びているようだ。