つよがり姫に振り回されて
「…コーヒー、出来たぞ」

「ありがとう」

「あのさ」

「…なんだ?」

コーヒーを啜りながら答えた。
今日はやけどせずに飲めたみたいだ。

「傷つけずに断る方法ってないか?」

「なんで?」

不思議そうな顔で見る。

「なんでって…ほら、…弁当‼作ってくれるのは嬉しいんだが、あんなに食えないからさ」

「あぁ、そういうことか。傷つけずに断るのは無理なんじゃないか?」

「やっぱそうか」

そうだよな。傷つけずに断るなんて無理だよな。

「でもなんでそんな事を私に?」

「ほら、園田じゃ役に立たねぇからな」

「それは何となくわかる」

「他にこんな事言えるの梨沙くらいしかいないから」

「そっそうなのかっっっ」

「なに動揺してんだよ」

「どっ動揺などしていない‼…熱っ」

「動揺してんじゃん。大丈夫か?」

「…大丈夫だ」

…何に動揺してたんだ?
わかんねぇ奴。
< 40 / 332 >

この作品をシェア

pagetop