悪魔のようなアナタ【完】




「とはいっても、初めてでは勝手がわからんだろうからな。去年のそのパンフを作ったのは水澤だ。彼に聞くといい」

「……は?」

「今年も水澤に作ってもらおうかと思ったが、作れるのが水澤一人というのは会社としてはあまりよろしくない。吉倉は水澤と仲がいいみたいだから、やり方を教えてもらえ」

「え……」


驚きのあまり呆然とした灯里に山岡が素早く耳打ちする。

灯里は山岡の話にさらに目を見開いた。


パンフの作成には特殊なソフトウェアを使う必要があるらしく、今、社内でそれを扱えるのは玲士だけとのこと。

ちなみに玲士が入社する前は専門の業者に外注していたらしい。


灯里はがくりと肩を落とした。

玲士が有能だと知ってはいたが、まさかこんなことまでしていたとは……。

性格を犠牲にした分、頭が良くなったのだろうか?

などと内心で思った灯里に真木は続ける。


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