悪魔のようなアナタ【完】



「……これは……」

「部署が違うのでまさかと思ったのですが……。けれど逆に考えると、部署が同じであれば作業上の手違いかとも思うのですが、違うのであれば故意ですね」

「確かに、他部署のフォルダをいじる理由は普通はないですからね」

「いかが致しますか? とりあえず吉倉のせいではないということははっきりしましたが……」


佐藤は画面を見つめながら困惑した様子で言う。

晃人は軽く頷き、佐藤を見た。


「わかりました。どうするか考えておきます。このことは当面内密にお願いします」

「畏まりました」


佐藤は深々と一礼し晃人の前を辞した。

その背を見送った後、晃人は腕を組んだ。


灯里のせいではないということははっきりした。

それは良い、が……。


「……」


『彼女』をどうするべきか。

晃人は首を捻り、大きなため息をついた……。



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