永遠の愛
「お母さん…美咲にゴメンねって言ってた」
そう翔が言った言葉に、溜めこんでいたあたしの涙が零れ落ちた。
どうも、呼吸が思う様に出来なくて次々に溢れる涙を必死で堪えるも、身体だけは微かに震えてた。
9月後半だとは言え、あとどれくらいもつんだろって事が頭に引っ掛かって、どうしようもなかった。
そんなあたしの震える身体を翔はグッと抱え込み、そっと優しく頭を撫でた。
「…ママは相変わらず」
「……」
涙声で話すあたしの声で、翔はピタッと撫でていた手を止める。
「ホント…ママの悪い癖だよ」
「ごめんな…」
「何で謝るの?」
「美咲が居ない間、ちゃんと気にかけようって思ってたのに…」
「責める人なんて誰も居ないよ」
そう、誰も居ないんだ。
居るとしたらママだった。
どうして行かなかったの?
どうしてなの?
今更思ったって仕方がない事なのに…