永遠の愛

悲しみの空

何度も不在が入っていた翔の履歴。

授業を終えたあたしは直ぐに電話を掛け直した。


「美咲っ、」


返事をする間もなく飛び交ってくる翔の声にあたしはドクンと心臓を鳴らす。


「…どうしたの？」

「美咲のお母さんの命が危ない」


思った以上に激しく心拍が乱れた。

少しずつ滲みでてくる額の汗が自棄に分かる。


…ママ。


「すぐに行く」

「今、正門前に居るから」


そう聞いたあたしは通話を切って、上の人達に事情を話し、頭を下げて学校を飛び出した。

出てすぐ先に見えるのは翔の車。


「どうしよう…ママがっ！」


乗った瞬間、そう声を叫ぶと同時に走った息切れの所為で息が詰まる。


「とりあえず急ぐぞ」


急いで発進させる翔の顔つきも険しかった。


「どうしよう…」


頭の中が思う様に動かなくて混乱するばかり。


ママが…



死んじゃう。