永遠の愛

「え?何言ってんの?ってか、今どこ?」

「…ネオン街」


…ネオン街?


「今すぐ…行くから待ってて」


そう言ったあたしは天野さんの返事を聞くこともなくプツリと電話を切って、ソファーに無雑作に置かれている鞄を手に取った。


「…え?美咲?」


玄関に向かう途中、丁度風呂から出くわした翔は不思議な顔であたしを見る。


「あ、ごめん。ちょっとあたし出掛けてくる」

「出掛ける?どこに?」

「あー…うん。なんか天野さんがさ、ここ最近休んでて…」

「送ろうか?」

「いや、ううん大丈夫」

「けどこんな時間だし」

「でも大丈夫だから。すぐに帰るから」

「なんかあったら電話してこいよ」

「うん、分かった」


マンションを出て向かう先はネオン街。

もう行くはずがないと思ってたネオン街にまさか行くなんて思ってもなかった。


翔と出会った場所だけど、あまりいい思い出なんかない場所。


…天野さん、そこで何してんの?

そう思いながらそこに向かう途中、複雑な気持ちでいっぱいだった。





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