永遠の愛

支え合う心


5年振りに足を踏み入れる場所は、あの頃とまったく変わってない輝きを増す街。

ギラギラと輝くネオンに目が眩みそうになる。


だけど、着いたものの天野さんが何処にいるかなんて全く分かんない。

輝く光を見ながらあたしは鞄の中から携帯を取り出した。


だけど天野さんに電話をするも一向に電話には出ない。

何度も何度も鳴らしたけど、繋がらない。


仕方なく諦めたあたしは携帯を握りしめたままネオン街を歩いた。

よく歩いていたこの道のりが過去の記憶を思い出させる。


何の当てもなくただ歩いていた道。

いい思いでなんてなくて、ただ蘇って来るのは汚れた自分だけだった。


足を進めて、ふと…視線が止まる。

見覚えのある出入り口。派手な女達が足を向けている場所は、長年居た翔の店だった所。


…懐かしい。


そんな事を思いながら足を進めて行った先はあまり足を踏み入れたくない場所に辿りつく。

今からホテル街に入ろうとする場所。


その数メートル離れた場所に見覚えのある制服を着た女の子に目が止まった。


「…天野さん?」


だけど、その天野さんの前には二人の男が居て、嫌そうにしている天野さんの腕を触っている。

思わずその光景にあたしは駆け足で向かった。
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