永遠の愛

「センセ…来たんだ」


ポツンと呟く天野さんの小さな声。

寂しそうな、切なさそうな、なんとも言えない瞳が何かを言いたげだった。


「当たり前でしょ?学校面倒なんて言われたら何かあったかと思うじゃん」


そう言ったあたしに天野さんは小さく悲しそうに笑った。


「嘘。本気じゃないよ?…ただ、疲れただけ」

「何か…あった?一条くんも心配してたよ?」

「…奏斗は心配性だから」

「って言うか普通に心配するよね?一条くんだけが心配してんじゃないよ?あたしだって心配だから来たの」


そう言ったあたしに天野さんは薄ら笑みを漏らす。


「美咲センセーって、ほんとセンセーみたいじゃないよね」

「うん、それよく言われる。って言うか、帰ろう。ここに居るとあまり良くないし、送るから」


スッと天野さんの腕を掴むと、その腕を天野さんは勢いよく払う。

余りの早さにビックリしたあたしは、天野さんをジッと見つめた。


「どうしたの?帰ろ?」

「……」

「ねぇ、天野さん…」

「…帰る所ないから」


少しの間を置いて小さく呟いた天野さんにあたしは戸惑う。
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