永遠の愛
「あ、天野さん!」


今から靴を履こうとするする天野さんに私は声を掛け近づく。


「はい?」

「…大丈夫?無理しちゃダメだよ」

「はい。大丈夫です。ホントに有り難うございました。彼氏さんにも言っといて下さいね」

「あー…あれ?居なかった?」

「もう起きた時には居てなかったですよ?」

「そっか」

「やっぱイケメンですね」

「あはは…」

「でも大丈夫です。とったりしないですから!…じゃあね、センセー」


ヒラヒラと手を振った天野さんは蔓延の笑みで姿を消す。

最後の言葉は余計だったけど、昨日とは全く逆の天野さんに、良かったのかどうかは分からないけど、ちょっとだけ安心したのは事実。

でも、あぁやって笑顔を振り向く裏は落ち込んでいるのかもしれない。


…私と似てるから。

だからと言って、こうしたほうがいいとか…そんなの何も分かんない。

だから余計に自分自身に苦しくなるの。


天野さんが出て行った後、気力を無くしたかの様にソファーに倒れ込んだ。


昨日の出来事が頭を過る。

物事なんて思うようには進んでくれなくて、時折苦しくなる。

人生ってそんなもんって分かっていながらも所詮、どうする事も出来ない。


複雑な世の中。


幸せになるって、どうゆう事なんだろう…

あの頃もそう思ってたけど、5年経った今でも全く分かんないや。
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