永遠の愛

懐かしの街


「帰ろっか」


暫く経ってそう呟いた翔は携帯の画面を見つめる。

明るく光った画面に映し出されるのは00:06の文字。


「…うん」


隣から見た時間に頷いたあたしは先に立つ翔に手を引かれ、立ち上がる。

離された手でスカートを叩(はた)き、ゆっくりと先行く翔に着いて行った。


「どうする?家帰る?」


車に乗ろうとする瞬間、翔はそう言って助手席側に立っているあたしに視線を送る。


「うーん…翔の家、行く。と言うか行ってみたい」

「来ても得に何もねーぞ」

「だって見たいもん」


フッと笑った翔は口角を上げ、車に乗り込んだ翔に続いてあたしも車に乗り込んだ。


帰る1時間くらいの道のりをほぼ会話なくいた。

と言うのも、ほぼあたしの記憶がなく寝てしまってたからだった。


「美咲?」


あたしの肩に触れる翔の手。


「…着いたの?」


呟きながら目を開け、あたしは呟く。


「あぁ」


ボンヤリとフロントガラスから見えるのは駐車場。

冴えない目を何度か瞬きをし、車から降りると無数の車が停まってた。


地下だろうか。白い白線で番号が書かれた数字の上にあらゆる車が停まってる。

地下だから分かんないけど、大きなマンションに違いない。

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