永遠の愛

「あの、すみません!」


ナースステーションに向かって勢いよく叫ぶ。

だけど、慌ただしくしてんのかあたしの声など届いてなくて――…


「すみません!」


もう一度声を出した。


「あ、はい」


気付いてくれた一人の看護師。

駆け寄って来る看護師さんは、


「どうかされました?」


小さな小窓から顔を覗かす。


「あの、503号室にいる芹沢って人にコレを渡してほしいんです」


鞄の中から少しぶ厚めの封筒を取り出し、窓口に置く。

その封筒をジッと見つめた看護師さんはそれをそっと触った。


「…お金、ですか?」

「はい」

「あの、出来ればご自分から渡された方が…。貴重品なら尚更」


そう言って看護師さんは少し困った表情を浮かべた。


「渡せないから頼んでるんです。お願いします」


頭を軽く下げたあたしは、目の前にある封筒をジッと見つめる。

そして暫く経ってその封筒がスッと消えるとともに、あたしは頭を上げた。

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