永遠の愛
「…美咲ちゃん」
次の日の放課後。
今から職員室に向かおうとする私の足を止めたのは一条くんだった。
「あー…何?」
「元気ねぇなって、思ってね」
「そう?」
「うん、そう」
そう言った一条くんはジッと私を見つめるから思わずその視線から少し避け、
「もうすぐ卒業だね」
話を逸らす。
「だな」
「いつ行くんだっけ?」
「後、一カ月後」
「そっか。なんかあっと言う間だったね」
「寂しい?」
「え?」
思わず視線を一条くんに戻す私は首を少し傾げる。
「会えなくなるの寂しい?」
「そりゃ…そうだよ。天野さんにだって会えなくなるからね」
「じゃなくて。…そうじゃなくてさ、彼に…」
「…え、なん…で?」
声が詰まってしまった。
一条くんがよく分らない言葉を吐き出すから声が上手く出せなかった。
見つめる先の一条くんは真剣な瞳で私を捕らえ、まるで私の心を探ってるかのようだった。