永遠の愛

「…セ、センセっ!」


一条くんと別れた後、曲がり角でグッと私の腕を掴んできたのは天野さんだった。


「ど、どうしたの?」


少し焦った表情と言うか、混乱した表情の天野さん。

キョロキョロとする天野さんは私の腕を引いたまま人気のいない場所まで足を進める。


「ちょ、ちょっと何?」


グイグイと引っ張る天野さんに私は顔を顰め、そう声を掛ける。

そして少し歩いた所で足を止めた天野さんは、スッと私の腕を離して、寂しそうな目で私を見た。


「センセ、楓さんと別れたってホント?」


その天野さんの言葉で思わずため息を漏らしてしまった。

何で天野さんが知ってんの?と言うよりも、またその話しに少しだけウンザリする。


「そうだよ」

「そうだよって、センセーなんで?」

「何でって、私が聞きたい。どうして天野さんが知ってるの?」

「楓さんから聞いたから…」

「…っ、」


思わずその言葉で目が見開いた。

聞いたってどう言う事?

なんで?


「振られたって、そう言ってたから」


必死でそう言ってくる天野さん、つい言葉を失ってしまった。
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