永遠の愛

「おしょと行く」


不意に聞こえた香恋ちゃんの声に私は膝に乗っかっている香恋ちゃんの顔を見る。


「うん?外?」

「うん。外で遊ぶ」


頷いた香恋ちゃんは私の膝から立ち上がり私の腕をグイグイ引く。


「ちょ、ダメよ香恋」


そう言った葵は私の腕を引っ張る香恋ちゃんの腕をスッと掴む。

掴まれた所為でいっきに香恋ちゃんの顔が悲しそうになり、私はそっと頭を撫でた。


「いいよ、行こっか」


そっと微笑むと香恋ちゃんはさっきとは打って変わって表情をパーっと明るくした。


「やったぁ!みぃちゃんと遊ぶっ、」

「美咲…。外、寒いよ?それに香恋、一度出たらなかなか帰らないし」

「いいよ、別に」

「じゃ、私も行くよ」

「いいよ。葵は家に居な」

「いや、でも…」

「一人でする事いっぱいあるんじゃないの?たまには一人でのんびりしなよ」

「香恋と居ると疲れるよ?」

「大丈夫だよ。適度に帰って来るから葵は居て」


何度も念を押す様に葵に言った後、私は香恋ちゃんの手を握る。


「行こっか」

「うん!!」

「ごめん、美咲…」


申し訳なさそうに言った葵を家に残したまま私と香恋ちゃんは駅近くの公園へと向かった。
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