永遠の愛

「荷物、送り返すね」

「…ごめん、ね」

「ううん。ぜんっぜん!あたしは…あたしはさ、その選択間違ってないって、そう思うよ。それが正しいって、そう思うから」

「……」

「また、会おうよ」

「うん」

「日本に帰ったら言うね」

「うん」

「そしてまたおいでよ、彼と…」

「それは…どうかな」


思わず呟いてしまった小さな声に菜緒の微かに笑った声が聞こえる。


そして。


「ダメだよ、美咲ちゃん。素直になんなきゃ」


今のあたしの現状を分っているかのように菜緒は笑って返した。


「ありがとう、菜緒」

「あー…そうだ、そうだ。美咲ちゃん、今月誕生日だよね」

「あ、うん…」

「早いけど、おめでとー!」

「ありがとう」

「25歳、幸せにね!じゃー、またね」

「うん、また…」


電話を切った後、一息吐き、辞めてしまった手続きを行った後、空港を後にした。

だけど、行くあてなんて何処にもなかった。


だからと言って、家に帰ろうって言う気にもなれなかった。



そしてそんな事を思いながら辿りついた場所は、



遠く遠く離れた懐かしい場所だった。
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