永遠の愛

思うままにとってしまった行動。

だけど、これからどうすればいいんだろって、そう思った。


今更、みんなに行けなかった。…なんて言ったらどう思うんだろうか。

理由なんて何もないの、理由なんて。


だけど曖昧な気持ちが、それを許さなかった。


波の音が新鮮に耳に伝わり、潮の香りが鼻につく。

あの頃と全然変わってないその感覚が、思い出が引きだす。


「…さむっ、」


夜中の気温はどれくらいなんだろうか。

ここに来てどれくらい経ったかなんて分んないけど、自分の体温だけは落ちているのが分かる。

手を擦り、パーカーに付いている帽子を被って、左身体を壁につけて膝に顔を埋める。


まさしくこれが行き場を失った鳥だと言うんだろうか。


昔に味わったよりも切ないのはなんでだろうか。

ここから飛べたとしても何処にどう飛んで行ったらいいのかさえも分んなかった。


今頃、飛行機にいたなら。

今頃、あっちに向かってたらと思う、曖昧な気持ちが頭の中を支配していく。


矛盾だらけの今、何を目的にしたらいいのかさえも分んなかった。





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