永遠の愛
「何、これ…」
朝起きてふと目にしたのはテーブルにある線香の束。
それを手に取って見つめても、まさしく墓とかに使うやつ。
「美咲、何食う?」
不意に聞こえた翔の声。
キッチンに向かった翔に視線を送ると、冷蔵庫からアイスコーヒーを取り出してた。
「ねぇ、これって何?」
「え?」
翔はグラスにコーヒーを注ぎながら私に視線を送る。
「この、線香」
手に持ってた線香を少し高く上げ、翔に見せる。
「あぁ。墓行こうと思って」
「墓?」
「うん、そう」
「誰の?」
「お袋」
「…お母さん?」
「そう。ぶっちゃけた話し、もうどれくらい行ってねぇんだか分かんねぇ…」
情けなく笑った翔はコーヒーの入ったグラスを二つ、私が居るテーブルに置いた。
「お母さんって、何歳で亡くなったの?」
「えー…何歳だろ。22で俺を産んだっつってたから…38?多分」
「そうなんだ…」
「うん」
あまりにも早すぎる死に、目が潤んだ。
翔のお母さんってどんな人だったんだろ。
私も会いたかった。
私も話したかった。
きっと、綺麗な人なんだろうな。