俺様or激甘彼氏はいかがですか?


保健室には誰も居なくて、勝手に入って椅子に座った。
隣に“乃亜”って子も座って。



俺達の前の椅子に座り、救急箱から消毒液と綿を取り出す。
綿に消毒液を付けて、それをピンセットで掴み、俺の切れた口の端に当てた。



「…っ」
「…ごめん。痛かった?すぐ終わるから」

2、3回消毒すると、傷口に絆創膏を貼って、ニッコリ笑った。


「終わったよ♪お疲れ様」
「…ありがとう」

ボソッと呟いた俺にまたニコッと笑い、今度は乃亜って子の消毒を始めた。
手際いいな……。
真剣な彼女の横顔に、俺は見惚れていた。






「…よし。もう大丈夫!教室戻ってて」
「うん。ありがとう梨華」


………“梨華”?


彼女の名前か?







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