雨上がり
そこは、体育館…


今日は、部活がないみたいで、誰一人いない…


ドンッ


「きゃっ」


後ろからいきなり押されてバランスを崩して倒れてしまった


倒れた場所は、体育倉庫の中


この前も、体育倉庫に閉じ込められたけど、たまたま自主練をしにきた人がいて、なんとか助かった


「ねえ~、なんか噂で聞いたんだけどぉ~
昨日、王子と一緒に空き教室で一緒にいたって…ただの噂よね~?」


その話を聞いた瞬間、ビクッと体が震えたのが分かった


「その反応、まさか本当なの?」


その声には、恐怖しか感じれなくて、動くことが出来なかった

「ねえ、きいてるでしょ!?なんか答えなさいよ!」


そう言って、髪の毛を引っ張られた


「ねえ、喋れないの?なんか言いなさいよ!」

そう言いながら、何度も何度も蹴られた

今まで黙って後ろにいた篠山さんの仲間も、面白がるように蹴ってきて…


蹴られた私は、何もすることが出来なくて…

ただ、小さく丸くなることしか出来なくて…


そんな自分に腹が立って、情けなくて…


悔しさがこみ上げてきた


その時…

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