嘘つきヴァンパイア様


「いいの?外に出ても…」


「大丈夫です。敷地外の外出は出来かねますが、お庭くらいでしたら。涼子様も長い間、屋敷内にいては息が詰まってしまいましょう。実家に帰ると、言われてしまう前に気分転換もかねまして。それに、屋敷内の徘徊は飽きてしまわれたのでは?」


レシィの言う通り、この一週間で屋敷内をかなり歩き回った。

呉羽に「鍵が掛かっている部屋以外なら、覗いてもかまわない」と、言われたのを良いことに二階から最上階の十階まで、ひとつひとつ鍵の開いている部屋を探しに探した。


何もない空部屋があれば、涼子が寝泊まりしている部屋の半分の部屋。同様に家具が一式揃ってあり、綺麗にベッドメイキングされている、ゲストルーム。


違う階には物置部屋。その他には、沢山のジャンルの洋服部屋があった。レシィが着ているゴスロリ風のドレスや以前、一回だけ顔を合わせたユノが来ていたスーツ。


それにくわえ、あの家来の神様の服など様々だだった。


そしてまた、違う階の部屋は、図書館のように数えきれないほどの本が並べられた、窓1つとない、筒状の部屋。








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