嘘つきヴァンパイア様
「どうぞ、行ってくださいまし」
「え?どこに?」
「呉羽様にご報告に行きたいのでは?ちょうど、勉強もきりがよいので、本日は終了にいたしまし」
レシィには、涼子の考えを察したのだろう。
彼女は直ぐに言いたいわけではない。夜になれば会えるのだから。だが、頬を緩める涼子にレシィは気を使ったのだ。
考えれば、外の月は紅く輝き始めてる。夜になる。
切り上げるにはタイミングがいい。
「夕食のご用意が出来ましたら呼びにいきまし。その前に呉羽様と逢瀬をお楽しみ下さいまし。本日は4階の集会室にて、ユノといらっしゃるかと」
集会室とは、呉羽たち神が集まり話し合いをする部屋だ。
いわゆる、会議室。中を覗いたことはないな。だが、徘徊していた時に見かけたから分かっていた。
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