嘘つきヴァンパイア様


「え、あの、どうしてこんなところに?ここ、呉羽の部屋ですよ……それに、その、ち、近いんですが」


今にも手を少し伸ばせば抱き寄せられてしまいそうなほど近い距離に涼子は慌てて距離をとると、案の定、伸びてきた手に抱き寄せられしまった。



包み込むように抱きしめ、涼子の首筋に顔をうめ呟く。


「気にしないの。呉羽の嫁は僕の妹なんだから。可愛い義妹を抱きしめるのは罪にはならないと思うよ」



(ま、また、この神様は……)

「そ、そういう問題じゃないと、前に言いました。あの、これから呉羽きますし、見られたらまずいので、離してください」


「あ、うん。そうだね。それより、僕からのプレゼントはお気に召してくれたかな?」


「き、聞いていませんね!?き、気に入りました。とても!だから、離してください」



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