嘘つきヴァンパイア様


『いいですか?ですから、私たち一族は大変大きな罪を負っているのです。これは、忘れてはいけません。この罪を背負い、わたくし達はこの冥界で強く、生きていかなければならないのです』

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『あの、お母様?』

『はい。なにかしら?』


『それなら、僕たちは生まれて来なければ良かったの?だったら、罪を背負うのなら、その一族がいなければ…いいのに』


『それは、違うわ』


『罪を背負っているからこそ、生きなければならないのです。過去になくした尊い命のぶん、我々の一族は王としてここにいるのです』


『それは、とても辛いよぉ…』


『辛くはありません。その罪をともに背負う者と共になら、辛くても乗り越えられます』


『……』


『………』


『ふふ。まだ、小さな二人には、わからないかもしれませんね。こちらにおいで、ギルド、呉羽』

二人の背に手を回し、その者はそっと彼らを抱きしめた。



『時が来ればわかります。その時まで、今のお話は覚えていてね。あ…だけど、決して重くは考えないで。あなた達は、そのまま強く生きて。私も…お父様も、それを、ずっと…見守っています』


『……おかあさま…』


とても、小さな手だった。人間で言えば2歳児と同じ体でしがみつく手は震えていた。

この時から、それは始まっていたのだ。その罪を、すべて終わりにする…その計画が…。


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