嘘つきヴァンパイア様



宿っているか、いないか。定かではないが、宿っていれば嬉しい。

そんな思いで撫でると、頭上から声がした。


「そんなに早く出来るわけがない」

「え?」

「何十回も抱いているのに、今だに子どもが出来ないのが、いい証拠だ」


「わ、分かっているけど…なんとなくって…いうか…」


「……」


「その…そうだ、よね。ごめん」


確かに、冥界にきてから何回も抱かれた。出来ていてもおかしくはないはずだ。



「あの、ごめんね。呉羽の役に立てなくて…でも、わたし頑張るから。だから、このまま、そばにいさせて」


胸板に顔をうめ、背中に手を回すと、呉羽は 抱きしめ返すことはしないけれど、涼子を受け入れた。

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