天神学園高等部の奇怪な面々22
安眠を提供できるのならば、目覚めも提供できる。

両手を掲げ。

「『みんな』、起こすの少し手伝ってあげて」

誰にともなく八重は言う。

その言葉と共に、そよ風が周囲を包む。

優しげに揺れる新緑。

心地よい若葉の擦れる音。

それと共に漂うのは、爽やかな初夏の薫り。

『覚醒の香』

これもまた八重桜の化身たる八重の力。

テントの隙間から吹き込む清々しい香りは、いまだ夢の中にいる生徒達をそっと撫でる。

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