天神学園高等部の奇怪な面々22
既にこれだけでも食が進みそうで、密かに書きながら口の中に唾が溜まっている理事長だが、まだ和音のフルコースは続く。

「続いては二品目~♪岩魚のソテ~♪」

歌いながら徐に包丁を手に取る和音。

「まずはウロコを取り~♪三枚におろして塩・胡椒~♪正肉に小麦粉をまぶしたら~♪」

塩焼きを焼いた焚き火の上に、持参したフライパンを置いて熱する和音。

調理器具も持参な辺りが本格的だ。

「フライパンにたっぷりめの油を引いて皮面からやや強火で焼く~♪きつね色になったらひっくり返して油を捨てて中火~♪」

焚き火で中火とかどうやるんだ?

そんな質問は無視して。

「バターをのせ~♪火が通ったら強火にして白ワインを振りかける~♪大さじ3杯ほど~♪」

いやいや、白ワインとかみんな持ってきてねぇし。

「ワインを引火させアルコールを飛ばしたら~♪レモンを搾り醤油をかけてから火を止める~♪ポン酢で代用も可~♪」

あっという間に岩魚のソテーが完成だ。

「外はパリッと中はふっくら~♪バターは淡白な川魚に合いますし~♪ワインが魚の臭みを消してくれますのでお試し下さい~♪」

まるで料理番組のようなコメントだ。

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