政略結婚 ~全ては彼の策略~


結局優香は悟に焼きそばとクレープを買って貰った。

自分で買うと言い張ったが、自分も一緒に食べるからそんな事気にするなと言い負かされてしまったのだ。

昨日も美味しい食事をご馳走になったばかりか、今日も運転までしてもらっているので申し訳ない気持ちになる。


「…ありがとうございます。私ばっかりご馳走になってしまって…。」

「これって"ご馳走"になるのか?どうせ俺も食べてるんだしそんな事気にしないでいいって。こういう時に年上の特権使って何が悪いんだ。」

悟はそう言いながら焼きそばを頬張っている。

それって"年上の特権"なのかな?

優香は疑問に思いながらも、悟は本当に気にしてなさそうなので、そういうものなのかなと思うことにした。

「クレープ美味しいか?」

「はい。美味しいです。」

「俺にもひとくち頂戴。」

そう言うと、悟はあーんと口を開けて待っている。

これは食べさせてあげるのが正解…?

ドキドキしながら優香が悟の口元へクレープを差し出すと、悟がぱくりとかぶりつく。

なんだか餌付けしているみたいで可愛い。

もぐもぐしながら"クレープも美味い"と言っている。

「悟さんは甘い物も好きなんですか?」

「そうだな。普通に食べる。甘い物好きかと言われたら好きかもな。」

悟のイメージ的に何だか意外だった。

甘い物はあまり食べないのかなと勝手に思っていた優香は、悟の意外な一面を知れてまた嬉しくなる。


そして、案外悟はスキンシップが好きなんだろうなと発見したのだった。







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