政略結婚 ~全ては彼の策略~

チェックアウトの支度が終わり、2人で部屋を出る。
フロントへ挨拶を終えて悟の車に乗ってから優香はまた悟が支払いをいつの間にか終わらせていた事を知ったため、申し訳なさそうに縮こまっていた。

そんな姿でさえも愛しくて堪らない。
ぎゅうぎゅうに抱き締めたい気持ちを何とか抑えて頭を撫でる。

「……あの、私も払いたいので、教えてください。」

「いつも言っているだろ?気にしなくていいよ。」

「でも、いつも払ってもらってばかりですし、運転も…。」

「うーん。」

悟にとっては優香に喜んで貰いたくてしている事であるため、もうそろそろ慣れて貰いたいところだ。

彼女の心を全て自分に向けさせてもっと甘やかして愛を注ぎたい。

車でわざわざ来たのも、悟が誰にも邪魔されず優香と2人きりで過ごせる時間を少しでも長くしたいという我儘に過ぎないのだ。

自分の我儘で長時間運転に付き合わせてしまっているのに優香は何も不満を言う事ないため悪い事をしたと思っているのは悟の方なのである。

「優香、これは全部俺がしたくてしてる事だから。喜んでくれたらそれだけで俺は嬉しいんだけど。」

「……!そ、そ、それは、勿論喜んでます!」

「ククッ、それなら良かった。」

「でも、私ばっかり楽しんで悟さんは疲れませんか?」

……………。
彼女は何を言っているんだろうか。

悟は自分でも浮かれ過ぎないようかなり気を引き締めてはいるが、多分周囲から見ればデレデレなのは明らかだろうに。

しかもいつも利用して気に入っている旅館に付き合って貰い、散々連れ回した挙句、夜にはなかなか離してやれず沢山鳴かせてぐったりしていたのは彼女の方だ。

悟はむしろ艶々と肌が光っているくらいなのだから。


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