政略結婚 ~全ては彼の策略~
「…ん?どうした?」
「私もぎゅってしたいです。だめですか?」
───くそ可愛いな。駄目なわけあるか。
悟はザワつく胸を鎮めながら平常心を保つ。
「優香がしたいようにしたらいい。」
最近ようやく少しづつではあるが優香から悟に触ってくるようになってきている。
悟からスキンシップをするように心掛けているからか、慣れてきたのだろう。
かなり喜ばしい変化である。
露天風呂で優香から初めてキスをされた時にはそのまま無防備な体をめちゃくちゃに犯してしまいそうな気持ちをよく抑えきれたと自分を褒め称えているくらいだ。
洗い物を終えて優香をお風呂へ誘い、疲れをとった後はそのままベッドへ向かう。
少しも待ってなどいられない。
目の前にご馳走があるのだ。しかも食べてと言わんばかりに何やらモコモコと触り心地の良いパジャマを着た無防備な姿で。
「……あの、今日も…ですか?」
キスを繰り返していると遠慮がちに聞かれたため、悟は予想外の言葉にヒヤリとする。
────盛りすぎて嫌われた……?
ガーン、ガーンと頭を岩で殴られたような感覚に襲われながらも悟はどうにか取り繕うしかない。
「……嫌だったか?疲れているから今日はもう寝ようか。」
「え?……あの、違うんです。」
「………?」
「嫌とかじゃなくて、う、嬉しかっただけで…」
優香の濡れた瞳が恥ずかしそうに俯き、お風呂上がりだからか頬は火照って桜色に染まっている。
自分の願望であるとは分かっているが悟には誘っているようにしか見えない。
─────だから、無自覚で煽ってくるのはやめろって……
