政略結婚 ~全ては彼の策略~

優香のマンションへ着く頃には既に夕方だった。

2人で少し休んでから優香が夕食の準備を始めてくれる。

疲れているだろうから外食しようと言っても優香は「大丈夫です」の一点張りだったためいつものスーパーに寄って数日分の食料を買い足していた。

悟は当たり前のようにキッチンに立つ優香の隣に立ち、軽く抱き締めて見守ったり、洗い物が出たらその都度洗いながら手伝ったりと側に寄り添っている。

一時も離れたくない。
けど邪魔をしたい訳でもない。

優香は動きづらそうにしているが、咎めることもないのでそのまま抱きしめている。

まな板を使うのと火を使うのとを移動しながら繰り返す度に「動きますね?」と悟を見上げながらいちいち聞いてくるのも可愛い。

2人でのんびりと夕食を作り、親子丼とお味噌汁、サラダが出来上がった。


****

「美味しい。優香、ありがとう。」

悟が言うといつも優香はほっとしたようににっこりと嬉しそうに笑うので、毎回言うようになっていた。

優香の作る料理はいつも優しい味がする。
外食も勿論美味しいが、やはり毎日食べるのはこういった食事がいい。

旅行の思い出話をしながら先に食べ終わった悟が残りの洗い物をしていると、優香も食べ終わった食器を持って来たため一緒に洗い始める。

料理中とは逆に優香が悟をぎゅっと抱きしめてきた。

< 80 / 81 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop