黒水晶

互いの武器を交差させると、そこには二人の未来を象徴するかのように、歪みのないクロスが浮かんだ。


イサは、マイの夢に良い意味で引っ張られる感覚を覚えた。

「俺も、国に動かされるだけじゃなく、自分の意思で国を護(まも)れる剣術師を目指して、もっともっと強くなるんだ!!」

「イサは今でも十分強いよ」

「剣術だけじゃなく、精神を鍛えるんだ。

俺はいつも、父の言うことは絶対だと信じてきたし、今もそれは変わらない。

父を尊敬してる。

でも、これからは、ただ父の背中を追いかけるだけじゃない。

父を越える男になるんだ」

< 63 / 397 >

この作品をシェア

pagetop