毬亜【マリア】―信長の寵愛姫―
「戻り方もわからないのに?」

「お前を呼んだ術師が我が軍に来れば、帰れるだろう。藤吉郎は優秀だ。必ず連れてくる」

「戻らないほうが、良いって場合もあるのかな?」

「知らん。それはお前次第だ」

 そうだよね。私次第だ。

 ここに私の居場所はあるのかな?

 元の場所に戻っても、私の居場所は残っているのだろうか?

 事故にあった私はどうなっているのだろう。

 聖は私を心配してくれてる? それとも若い彼女と一緒に過ごしているのかな?

 私の両親は? 友達は?

 私の時間は、どこに存在しているのだろう。

 そして私はどこで生きて行けばいいの?

< 48 / 130 >

この作品をシェア

pagetop