彼女は予想の斜め上を行く

「勇人は俺のこと、買い被りすぎ。俺も普通の男だから、金本みたいな美人は気になるよ」

そう言って、先輩はいつの間にか空になったラーメンの器とトレイを持って立ち上がる。


「お前も早く食べろよ?」

そして、さっさと返却口に器とトレイを置き、オフィスに戻っていく。
時計を見ると、昼休みは残り僅か。

「ヤバッ!」

俺は慌てて、掻き込むように昼食を終わらせ、中島先輩の後を追った。

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