彼女は予想の斜め上を行く
「お疲れさま。珍しいね?いきなり来るなんて…」
葵は部屋の鍵を開けると、入るよう俺を促した。
ソファーに隣り合って座ると、葵の眼を見ながら真っ先に伝えたかったことを口にする。
「企画案。おめでとう」
「ありがと。でも、実感わかないかも。未だに信じられないし…」
「そ?俺は絶対に通ると思ってたよ」
信じてるから。
パティシエとしての葵を。
「…ありがとね?」
照れくさそうに。嬉しそうに笑う葵が心底可愛くて、大好きなんだ。
「あたし、本採用に向けて頑張る」
約一週間後に社長も参加する役員会議を通過すれば本採用となり、改めて新商品として店頭に並ぶことになっている。
「裕行の企画案も通ったんでしょ?おめでとう」
「ありがとう」
「さすが開発課のエースだって長野君が言ってたよ」
今一番聞きたくない男の名前を一番言ってほしくない女の口から聞かされた。
それも、ものすごい笑顔で。
葵は部屋の鍵を開けると、入るよう俺を促した。
ソファーに隣り合って座ると、葵の眼を見ながら真っ先に伝えたかったことを口にする。
「企画案。おめでとう」
「ありがと。でも、実感わかないかも。未だに信じられないし…」
「そ?俺は絶対に通ると思ってたよ」
信じてるから。
パティシエとしての葵を。
「…ありがとね?」
照れくさそうに。嬉しそうに笑う葵が心底可愛くて、大好きなんだ。
「あたし、本採用に向けて頑張る」
約一週間後に社長も参加する役員会議を通過すれば本採用となり、改めて新商品として店頭に並ぶことになっている。
「裕行の企画案も通ったんでしょ?おめでとう」
「ありがとう」
「さすが開発課のエースだって長野君が言ってたよ」
今一番聞きたくない男の名前を一番言ってほしくない女の口から聞かされた。
それも、ものすごい笑顔で。